一般社団法人 山門青年会議所 2024年度 基本理念・理事長所信・基本方針

第50代理事長 大塚力弥

【基本理念】

報恩謝徳

~「笑顔」とともに、軌跡と誇りを未来へつなぐ~

【はじめに】

軌跡。

みんなが幸せになってこそ、自分も幸せになれる。
そんな風にみんなが考えることができたらどんなに素晴らしい社会が生まれることでしょう。
あなたはどうして、または何のためにJC活動をしていますか。
自己成長のためでしょうか。
多くの人との出会いを求めてでしょうか。
社会貢献のためでしょうか。

きっとそれぞれ違う答えをもっているでしょうし、また、まだその答えを持ち合わせておらず、漠然と参加されている方もいらっしゃるかもしれません。ただ私はすべての人に共通しているものが一つあると確信しています。

それは利他の精神です。
入会して間もない時に、何かあるごとに気にかけてくれる先輩がいませんでしたか?
委員長の時に寄り添ってくれる副理事長がいませんでしたか?
悩んだ時に相談に乗ってくれる仲間がいませんでしたか?

その人たちは何の見返りもなく、あなたに時間と労力を無償で費やしてくれたはずです。そして自分自身もいつのまにか他の人のために時間や労力を惜しみなく費やすようになっているはずです。みんなが幸せになってこそ、自分も幸せになれる。「人のために」という精神性によって受けつかれてきた軌跡が、JC活動の原動力となっていく。言い換えれば、JC活動という修練の中で、人への奉仕を通して、友情に変わっていく。その素晴らしい文化がこの山門青年会議所にはあります。

誇り。

あなたは、山門青年会議所の一員であることを、自信をもって人に言えていますか?

山門青年会議所に誇りをもてていますか?

正直私は、少し前まで言えていませんでした。会社の仲間が生み出してくれた利益を会費や交通費、参加費に費やしているが、それに相当する効果を会社に持ち帰れているだろうか、このまちに生み出しているだろうか。自信をもって答えることができなかったからです。ただ振り返ると、JCで得た知識や、ノウハウが日常の仕事や生活の中で活かされているということに、気づかされる瞬間がありました。また事業を通して、その取り組みを認めてもらえる機会がありました。それらはやはり、JCに多くの成長、学びの機会が準備されていたからであり、またJC活動の中でこのまちを少しでもよりよくしようとしているからにほかなりません。そのことに気づくことができた時、きっとあなたも山門青年会議所の素晴らしさに気付き、また再認識し、より強く誇りを持っていただけると確信しております。

山門青年会議所は、旧山門郡・三池郡の青年が集い「山門郡・三池郡5カ町の青年の総意を結集して 郷土の発展と若人の自己啓発を計る」という創始の精神のもと、1975年に誕生し、それから49年、長い歴史の中、様々な運動や活動を行って参りました。そして、本年、山門青年会議所は創立50周年の節目の年を迎えます。諸先輩方が受け継いでこられた山門青年会議所を、「笑顔」とともに、軌跡と誇りを未来へつないで参りましょう。

【次なる100周年という未来へ】(50周年特別委員会)

 会員の在籍年数の短期化は、山門青年会議所の課題となっており、伝統を受け継ぐことの困難さが如実に現れてきております。時代の変化が速い昨今において、組織において変わらなければならないこと、変えてはならないことを明確にし、行動していかなければなりません。その判断を行ううえで、歴史を理解することは重要な第一歩です。49年という歴史と伝統を、様々な手法を通して改めて振り返ります。また、今後の方向性を会員全員で共有し、次なる未来に向けて一致団結するための重要な事業として、50周年式典を開催いたします。さらに、歴史を紡いでこられた諸先輩方、私たちの活動、運動に対し関わっていただいている地域、行政、諸団体の皆様に感謝を伝える場、今後のさらなる協働体制の構築へのご理解とご協力をお願いさせていただく場ともなるよう設営することで、この地域のより良い未来へつないで参ります。

2020年に『JC宣言』が改定されたことによって、現在の日本の青年会議所が何をする団体なのかが、明確にされました。それは社会の課題を解決することで、多様性と持続可能性のある地域を創造していくこと、です。山門青年会議所が創立45周年において、SDGsを基盤とした中長期ビジョン「YMTs2030」を掲げ、誰一人として取り残さない持続可能な地域の発展と自己成長を目的とする運動を行って参りました。その運動の検証をもとに、改めて今解決すべき社会課題が何であるのか、その課題を解決するための適切な手法・パートナーを見出し、新たなビジョンの提唱を行います。また、そのビジョンにおいて、会員やこの地域への浸透や、年度ごとの検証とブラッシュアップが実行される仕組みづくりを行い、このまちをよりよくしたいという想いを、未来へつないで参ります。

【笑顔にあふれたこのまちの未来へ】(まちづくり委員会)

 このまちでは人口減少が大きな社会課題となっております。それに反して増加しているのが世帯数です。このことは核家族化が進行していることを明確に表しております。また、この地域では校区単位での運動会の開催や行政区ごとでのお祭りの実施など、地域コミュニティを支えてきた様々な催しが存在しておりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の蔓延以降、そのような催しが今後開催されないようになることや、町内会への入会者が減少してきていることなど、地域コミュニティにおける人と人とのふれあいが減少しております。それらのことは、共働き家族の増加による子どもに対する愛情をかける時間の不足、有事の助け合いの不足など、様々な問題を起こす要因となりえますが、何より助け合うことで生きてきた、人としての思いやりの心をはぐくむ機会の喪失につながっています。私は、すべての世代の人がふれあい、健康で笑顔あふれる社会を実現したい、そう考えております。幸いこの地域には、様々な運動や活動を行うことができる施設が充実しております。すべての人が共通して楽しむことができる手法をもって、新しいコミュニティの場を創出することで、人と人がふれあい、多様な価値観の中で、お互いを思いやることの重要性を皆が認識することにつながります。また、何より楽しさを皆で共有し、同じ目的に向かって取り組むことで、一体感を醸成し、ふれあいの中で様々なコミュニケーションが生まれ、必ず笑顔につながります。その機会を創出していくことで、すべての人が笑顔にあふれたこのまちの未来へつないで参ります。

【笑顔にあふれたこどもたちの未来へ】(青少年委員会)

この地域の人口動態をみると、15歳から29歳までの若年層において転出傾向が強いことがわかります。また市民意向調査のアンケート結果によると「将来は市外に引っ越したい」と回答する若年層が全体の約4割ほどであることが実情です。山門青年会議所では、これまで様々な青少年育成事業を実施してきました。その目的はもちろんこのまちの明るい豊かな未来を創る人財へ成長していただくこともありますが、生まれ育ったこのまちの未来への想いを併せて醸成することも一つの目的であると考えます。

現在、何不自由ない生活を送ることができておりますが、すべて先人の弛まぬ努力のおかげであることは間違いありません。その頂いた恩を次の未来へ送っていくために、日本人の精神性である恩を受け継ぐ心を醸成し、日本の歴史や先人の想いに触れる機会を創出していくことで、未来への想いを強くします。また、青少年の育成において、より効果を高めるための工夫として、親がその育成の一番の責任者であることに改めて自覚を持つことも重要です。学校でもなく、塾でもなく、一緒にいる時間が長い親が、子どもに対していかに寄り添うかが重要です。子どもは必ず親を見ています。親自身も人として恥ずかしくない背中を見せていく必要があります。子どもたちが親とともに成長し、同じ時間を共有することで、信頼関係の向上につなげ、継続した青少年育成につなげます。さらに、このまちの生い立ちや歴史、人物、魅力に触れ、またより広い視野でこのまちを見ることで、このまちに誇りを感じ、未来に想いを向けることが出来る人財へと成長し、笑顔にあふれたこどもたちの未来へつないで参ります。

【持続可能な山門の未来へ】(人材育成・拡大委員会)

 JCI MISSIONに、青年のリーダーシップの開発と成長の機会を提供する、とあります。この青年という言葉は、JCの会員だけを指す言葉ではありません。地域をよりよくできるのは、その地域に住まう未来のために行動できる若者です。私たちは彼らとともに学び、この地域の社会課題の解決をめざすことを通して、より強固な連携を構築していく必要があります。また、山門青年会議所にある成長の機会という魅力を伝播することで、JCの理念に対する共感の輪を広げ、志を同じくする仲間を増やしていくことにつなげます。

私たちは、多くの人の支えによってJC活動ができていることを忘れてはなりません。恩返しの方法は自己の成長であることを再度認識するとともに、その方々への感謝の気持ちを形にすることで、山門青年会議所への共感を深め、持続的にJC活動に参画できる環境を構築して参ります。

現在、山門青年会議所では会員の若年化が進行しており、入会年数が浅い会員が増加している傾向にあります。半面、今後3年間で10人が卒業予定であることなどからも、会員拡大はもちろんのこと会員の資質向上が不可欠な状況です。入会後の会員や入会3年以下の方を対象に、入会プログラムの実施やYAMATOアカデミーの開催を通して、より山門青年会議所の良さに気付く機会を創出して参ります。

人の力は組織の力、山門青年会議所がその名と歴史を刻み続けるためには、新しい仲間を増やし続けていくことが重要です。本年度12月末35名体制をめざし、持続可能な山門青年会議所を構築し、未来へつないで参ります。

【笑顔にあふれた山門の未来へⅠ】(総務・広報委員会)

 「組織」とは、共通の目的に対して、効率的に達成することをめざす集団のことを指します。山門青年会議所という組織において、事業や例会を担う各委員会が一年間最大限に力を発揮し職務を全うするには、会の礎的な役割を担う総務運営が大きな要となります。まずは、定款や諸規定の理解および会員全員への浸透を図ります。そして、円滑な総務運営を基軸とし、委員会同士の連携を図るとともに会員一人ひとりが輝ける組織作りをめざします。さらに、地域から信頼される団体となるために、組織の透明化をめざした情報の開示を、様々な手法を用いて行って参ります。また、JCが成長の機会を提供する組織であることを会員へ実感してもらうために、常に会員全員に対して、事業や例会、各種大会への参加を促して参ります。参加率の低い会員の参加促進も大きな課題です。一度はJCの理念に共感して入会していただいており、JCに対して、何かしらの想いがあるために、今も会員として所属していると考えます。会全体としても、開催場所や開催時間の工夫など、参加への障壁を取り除ける柔軟な運営を行うことで、会員全員の参加をめざして参ります。会員の資質向上を図るとともに、修練の先にある達成感からくる笑顔を、山門青年会議所全員に創出して参ります。

【笑顔にあふれた山門の未来へⅡ】(事務局)

山門青年会議所が進むべき道がどこなのか、その方向性を認識し、常に共有・発信をする責務が事務局にはあります。また、他の団体との窓口となり、連携を強化しながら、より良い関係を構築する必要があります。会議運営においても、十分な情報収集と共有を図りながら、本質を見極め、変えていく部分と残す部分を明確にし、効率を向上しながら意義あるものにしていくことが重要です。常に会のことを考え、組織力の向上を促していくことも課せられています。

まずは、2024年度の方向性を広く伝播する機会の創出を行います。そして、他LOMや諸団体との連携を図り、迅速な情報共有を行ってまいります。さらに、会員全員への共有の機会やモチベーション維持を目的として、場所や時間など柔軟な会議運営を行い、会議の質の向上を図ります。また、会員個々人の能力の向上のため、時代が大きく変化する中、会員一人ひとりの資質向上の機会を創出します。事務局として、山門青年会議所の笑顔を支える縁の下の力持ちの役割を全うして参ります。

【魅力ある山門という組織の未来へ】

成長の機会は、自ら一歩踏み出さなければ、得ることはできません。JCにはその成長の機会が多く準備されています。もちろん山門青年会議所というステージもそうですが、「出向」という選択肢もあります。JCI日本、九州地区協議会、福岡ブロック協議会。多種多様な価値観を持った会員が全国各地から集結し、同じ目的に向かって切磋琢磨するこの機会は、必ず成長の機会を提供してくれます。本年度は、九州地区協議会、福岡ブロック協議会ともに、山門青年会議所から役員としての出向者を輩出することや、第73回全国大会福岡大会の副主管も担う年となります。それらに対して全面的に支援することはもちろんですが、会員全員に対しても出向という機会を提供することで、その意義と楽しさを実感していただくことを目的に、積極的な参加を様々な手法をもって促して参ります。そのことが実現できた時、翌年以降の会員の自発的な成長を望む姿勢につながり、誰しもが成長を望む素晴らしい組織となることで、組織のブランド力を向上させ、成長機関として魅力ある山門青年会議所という組織の未来へつないで参ります。

【福岡ブロック大会2025in山門に向けて】

2025年度には、山門青年会議所が福岡ブロック大会を主管いたします。そのため2024年度は福岡ブロック協議会にブロック大会運営委員会委員長を輩出させていただきます。第52回福岡ブロック大会2024in田川の運営において、委員長輩出LOMとして最大限の支援をさせていただくとともに、その中で2025年度を見据えた準備をしっかりと行っていく必要があります。まずなにより行わなければならないのは、山門青年会議所内においてブロック大会への機運を高めることです。50周年において築きあげる団結力を、そのまま翌年に繰り越せるよう、情報共有の機会を創出して参ります。

 2011年に第39回福岡ブロック会員大会in山門を開催して以来14年ぶりの開催となります。JC運動の最大の発信の場であるブロック大会を素晴らしい山門青年会議所の未来につなげるためのきっかけとなるよう準備を進めて参ります。

【結びに】

私のビジョンは会員全員参加の全員「笑顔」の集合写真です。

私の思う「笑顔」とは。

ただ楽しいことをした笑顔ではなく、困難な目的目標に向かって一致団結切磋琢磨して、取り組んだのちの達成感にあふれた笑顔のことを指しております。人と人のつながりが重要な組織において、お互いのことを思いやる組織、すべての人が自分のためでなく、利他の精神で人のために動くことができる組織。その山門青年会議所が持つ素晴らしさをより強固にしていくことができた時、誰一人取り残さない会員全員明るく楽しく笑顔でいられる。私は山門青年会議所をそのような組織にしたいと考えています。

JCにおいて、明るい豊かな社会の実現、という言葉がよく全面に出てきますが、私の中では、それは手法であり、一番の目的はJCI MISSIONにある成長の機会です。すべての会員の成長を第一に考え、誰もが誇れる組織をめざします。

節目となる本年度において現役であることへの感謝と責任を自覚し、強い覚悟をもって次なる100周年に向けて、「笑顔」とともに、軌跡と誇りを未来へつないで参ります。

【基本方針】

1.創立50周年記念式典の開催
2.山門青年会議所中期ビジョンの提唱
3.まちづくりメイン事業の開催(周年記念事業)
4.青少年育成事業の開催(周年記念事業)
5.会員全員による会員拡大の実施(12月末に35名体制へ)
6.YAMATOアカデミーの開催
7.100%例会の実施
8.会員全員の出向
9.九州地区協議会、福岡ブロック協議会への参画と協力
10.福岡ブロック大会2024in田川への参画と協力
11.福岡ブロック大会2025in山門にむけた準備
12.第5エリア合同事業への参画と協力
13.八女・筑後・山門3LOM合同例会への参画と協力
14.第73回全国大会福岡大会への支援
15.まるごとみやま市民まつりへの参画
16.(一社)矢部川くすべぇプロジェクト実行委員会への協力

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